2024年01月23日
次の株式市場超暴落の後「価値」が暴騰するのはどのような株か?
アップル(AAPL)この企業はその商品力・競争力は言うまでもないがもう一つ他社と一線を画す特徴を持っている。
以前 2023.8.18に「アップルの株価は下がれば下がるほど良い」と題してアップルについて紹介した内容とかぶるが前回でのポイントを振り返ってみたい。
アップルは成長に多くの運転資金を必要としないという点が優れた特徴。運転資金がマイナスだ。
これはどういうことかというと事業の拡大には通常は追加資本を必要とする。この理由は売上を顧客から回収する前に在庫などの支出がタイミング的に先に来るためだ。当たり前なのだがこれがアップルのように交渉力の強い企業になると顧客からの前受け金やサプライヤーへの支払い期間が長いため運転資金がマイナスになることがある。
アップルの場合設備投資も製造は他社に委託しているため固定資産にも金をあまり必要しない。それでいて多額の利益を上げることができる。
このような財務状況の場合利益の使い道に困る。事業の拡大に利益を必要としないからだ。
利益の額も毎年$100Bil近くもありブランド価値・商品開発・人材開発などに使うべきで使っているが使い切れない。
配当を払えばよいのだが投資家としてはもらった配当を消費する部分もあるが他の投資機会に投資しなければいけない部分もある。他の投資先といってもアップルを超える経済性を持つ企業を探すのは簡単ではなく自社株買いというのがかなり有効な使い道となる。
暴落で価値が上がるとは?
自社株の買取価格(株価)がその本質的を下回っている場合には自社株買いは確実に株主価値を創出する。
普通は利益を事業に再投資(工場を増設したり在庫投資をしたり)し売上に結び付け回収するまで時間がかかるが自社株買いを本質的価値以下で行えれば価値創出効果はその場で現れる。株主は持ち分シェアが自動的に上がるからだ。
株式市場の暴落はアップル経営陣にとっては簡単確実に株主価値を実現できるこの上なくうれしい機会だ。
これができるためには、
① 多額の利益を生み出す
② 利益を上げるために資本を必要としない、⇒利益を自社株買いに使う余裕がある
の両方が必要でありすべての企業ができるわけではない。アップルは株価の暴落を株主価値に変換することができるそのような希少な企業の一つであり、過去からアップルは自社株買いを積極的に行っているため。
下にアップルの自社株買い金額(オレンジ)を当期利益(青)と比較して示した。利益の多くを自社株買いで株主に返していることがわかる。
アップルが自社株買いをする必要があるのがよくわかるだろう。稼いだ金をほとんど株主に返している。
今後もし株式市場の大暴落がくればそんなときもアップルが自社株買いをしている可能性は極めて高い。なぜならアップルはその経済性の構造上(事業拡大に資本多くのを必要としない)自社株買いをせざるを得ないからだ。
そんなときアップルは自社株買いで価値を確実に増加させているだろう。
アップルの株主は自分でアップルの株を暴落時に買わなくてもアップル自体が自社株買いしてくれるため何もしなくてもシェアが増えていることになる。つまり株をただでもらっているのと同じことだ。
何もしなくても自分に帰属する利益が増える。これはすごいことだ。自分でも買えばその効果はさらに増える。
ハクゴ録「暴落がボーナスとなる企業がある」
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(06:07)
2024年01月18日
長期のパフォーマンスを計測すべき
「2023年のハクゴの成績発表」(2024.1.3)において投資のパフォーマンス評価のための超過収益(アルファ)は長期のパフォーマンスで行うべきと述べハクゴの過去5年と過去14年のアルファを表示した。
この理由は短期の株価は企業の価値とほとんど関係なく動くので株価が上がったからと言って価値が上がったとは言い切れず、したがって自分のポートフォリオの評価額が大きく上昇してもそれが本当に投資のスキルを表すものなのか言い切れないということであった。
1年というパフォーマンス計測期間は明らかに短すぎる。なので2023年という一年間でハクゴはアルファ+6.5%を出したのだがこれですごいとは言い切れないのだ。ではどのくらいを長期と考えるべきか?これに答えはないが5年で考えてみる。
毎年、12月が終了した時点でその時から過去5年間のパフォーマンスをベースに超過収益(アルファ)を測ればよい。そうすれば毎年の投資家としての腕が上がっているかどうかを確かめられる。
ハクゴの実際のパフォーマンスを見てみると以下のようになっている。
読み方は例えば2023年の +4.4% とは2018年年末から2023年年末までの5年間のポートフォリオ評価額の増加率を年率で表し、それが同期間のS&P500指数の同じパフォーマンスに対して4.4%上回ったという意味だ。
(ハクゴは2010年初めから投資を始めたため初めての5年パフォーマンスのデータが出たのは2014年末)
ハクゴ録「長期のパフォーマンスで見れば投資スキルの上達が見える」
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(08:24)
2024年01月10日
株価が上げたら儲かったと結論できるのか?
2023年は株式市場は大きく上げた。株価が大きく上がったわけだ。しかしこれで本当に儲かったと言えるのだろうか?長期投資家なので株を売ることはない。したがって利益が確定することもない。今後株価が下がった場合損したと言えるのだろうか?でも売らなければ損は確定しないし。。。
株価と価値は違う
株価と価値は短期では同期しない。だから株価が上がったからと言って価値が上がったとは言い切れない。
株価と価値は短期では同期しない。だから株価が上がったからと言って価値が上がったとは言い切れない。
事実S&P500指数は、
2022年は19.4%下落
2023年は24.2%上昇
となっており2022年~2023の2年間通年で見るとS&P500の価格は以下のように、
2021年末 4,766
2021年末 4,766
2023年末 4,769
と2年間で+0.1%とほとんど上がっていないことがわかる。
と2年間で+0.1%とほとんど上がっていないことがわかる。
長期では株価と価値は同期する
このように一年という短期のパフォーマンスを何度計測しても本当に儲かったどうかは不確かだ。
一方5年前・10年前などの長期の期間で株価が上がっていれば価値も上がっていることはより確かに言えるだろう。
計測期間が短過ぎると意味がないということであれば、価格と価値が同期するために十分長期な期間のパフォーマンスを見るべきではないだろうか?例えば5年間とか。
そもそも一年という計測期間はどこから来るのか?企業の価値増加速度の計測期間を地球の公転サイクルと合わせる合理性はあるのだろうか?だったら「今年の一年は株が大きく上げた」とかいうのはナンセンスで毎年5年前とかと比較すればよいと思う。
1年前と比較してS&P500が24.2%上がったといっても価値も上がったかどうかは疑わしいわけだ。
しかし5年前と比較するとS&P500は90.2%上昇している。この場合計測期間が長いため価値も大きく上がっていることはおそらく間違いない。
しかし5年前と比較するとS&P500は90.2%上昇している。この場合計測期間が長いため価値も大きく上がっていることはおそらく間違いない。
事実5年前の2018年のS&P500の一株利益と2023年の一株利益を比較すると$125と$179(2023年はまだ出ていないので推定)と43%上昇しており株価上昇率とずいぶん違うがかなり上昇していることは確かだ。
ブレはある。でも長期では同じ方向に進んでいく。それが株価と価値の関係だ。
なので株価の成長率をチェックする頻度は毎年でも良いが成長率を測る計測期間は1年ではなく5年にすれば良いと思う。
なので株価の成長率をチェックする頻度は毎年でも良いが成長率を測る計測期間は1年ではなく5年にすれば良いと思う。
そうすれば株価が上がって儲かった、でもそれ本当か?という疑問も解消できるのではないかと思う。
ちなみにハクゴのポートフォリオは過去5年間では130%上昇、年率換算で18.1%上昇した。単に株価が上昇しただけでなく価値が増加している可能性が高いならあまり心配することはないと思っている。
また同期間S&P500は年率換算で13.7%上昇したのでS&P500よりも速いスピードで実態価値が増加した可能性は高い。
また同期間S&P500は年率換算で13.7%上昇したのでS&P500よりも速いスピードで実態価値が増加した可能性は高い。
ハクゴ録「計測期間を長期にする」
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(08:30)
2024年01月06日
今年も自己成長
特に今年何か特別ということはない。
経済情勢とか多少はあるが競争力のある企業、つまりグレートビジネスは景気の波に関係なく長期で本質的価値を上げていく。つまり利益は上がっていく確率が高くこれを毎期確認し、また新しいグレートビジネスを探し続ける。
グレートビジネスが本質的価値を下げることもある。しかしそんな時は株式市場全体は大きく暴落しているはずでリスクリターンが大きく改善し絶好の買い場となるだろう。
どっちにしても特に心配することはなく今年も投資家としての活動は同じ。
よく読み、深く考え、待つ。
これに尽きると思う。
1. 読書を続け自分の無明の世界を啓く過程。
2. そして深く自分の頭で考えること。同時に他人の意見をオープンマインドで聞くこと。agreeできない意見こそよく聞くべきだ。そこに自分の殻を破る機会があるから。
3. そして機会を待つ。今の市場バリュエーションでリスクリターンが良い投資機会を探すのは難しい。一方大きな暴落はいつか来る。だから待つことは重要。市場との付き合い方は価格ではなく常に価値にフォーカスする。
一年前と比べると世界がはるかにクリアーに見えていると感じる。一年後はもっと遠くまで見えているだろう。
そのために読み、そして考える。
特に今年何か特別ということはない。
経済情勢とか多少はあるが競争力のある企業、つまりグレートビジネスは景気の波に関係なく長期で本質的価値を上げていく。つまり利益は上がっていく確率が高くこれを毎期確認し、また新しいグレートビジネスを探し続ける。
グレートビジネスが本質的価値を下げることもある。しかしそんな時は株式市場全体は大きく暴落しているはずでリスクリターンが大きく改善し絶好の買い場となるだろう。
どっちにしても特に心配することはなく今年も投資家としての活動は同じ。
よく読み、深く考え、待つ。
これに尽きると思う。
1. 読書を続け自分の無明の世界を啓く過程。
2. そして深く自分の頭で考えること。同時に他人の意見をオープンマインドで聞くこと。agreeできない意見こそよく聞くべきだ。そこに自分の殻を破る機会があるから。
3. そして機会を待つ。今の市場バリュエーションでリスクリターンが良い投資機会を探すのは難しい。一方大きな暴落はいつか来る。だから待つことは重要。市場との付き合い方は価格ではなく常に価値にフォーカスする。
一年前と比べると世界がはるかにクリアーに見えていると感じる。一年後はもっと遠くまで見えているだろう。
そのために読み、そして考える。
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(06:55)
2024年01月05日
2023年に読んだ本の中でのおすすめ本
このブログのテーマは投資と読書。今回は読書の話題。
毎年新年にハクゴが昨年読んだ本の中でベストの本を紹介している。投資・ビジネスで一冊、その他部門から一冊を紹介している。
昨年も多くの本を読み多くを学んだ一年だった。この学びは今後もずっと続く。
2023年のベスト本【投資・ビジネス部門】
毎年新年にハクゴが昨年読んだ本の中でベストの本を紹介している。投資・ビジネスで一冊、その他部門から一冊を紹介している。
昨年も多くの本を読み多くを学んだ一年だった。この学びは今後もずっと続く。
2023年のベスト本【投資・ビジネス部門】
The Warren Buffett CEO (Robert Miles)
この本はバークシャーの子会社の社長たちの話。現在のバークシャー子会社がどのように成功し、バークシャーに売却までいったかが書かれているがその中でバフェットと子会社CEOとのかかわり方が出てくるがこの部分が最も勉強になった。
バフェットは投資家として子会社の経営にかかわっている。ここの部分を「経営者」と呼ぶのかあるいは「投資家」と呼ぶのかは定義の問題だがバフェットは子会社経営者とどのように接するべきかを深く考えていることがうかがわれる。
バフェットは投資家として子会社の経営にかかわっている。ここの部分を「経営者」と呼ぶのかあるいは「投資家」と呼ぶのかは定義の問題だがバフェットは子会社経営者とどのように接するべきかを深く考えていることがうかがわれる。
よくバフェットは投資したら子会社経営には「ハンズオフ」スタイル(あまり口出ししない)で経営すると言われるがそれはよく計算された上でやっていることがわかる。
ハンズオフ経営ができるところにバークシャーの強さの秘密がある。ここに他社にまねできない要素が含まれているとハクゴは思った。その意味でこの本はバークシャーの成功のカギの一面を教えてくれた。コーポレートガバナンスという「仕組み」だけではとらえることのできない要素がそこにはある。投資家の皆さんにぜひおすすめの一冊。
2023年のベスト本【その他部門】
2023年のベスト本【その他部門】
American Lion (Jon Meacham)
アメリカの第7代大統領アンドリュー・ジャクソンの伝記。
アメリカ史は独立戦争と南北戦争が一つの大きな区切りだと思う。時間軸として独立戦争と南北戦争との間に位置しユニオンの維持を初めて守ったのがアンドリュー・ジャクソン大統領だ。アメリカの歴史の中で人気のある大統領はマッチョ の軍人タイプか理念の政治哲学者タイプに分かれると思う。アンドリュー・ジャクソンはアメリカ史上マッチョ大統領の筆頭だろう。政治舞台で戦い、軍隊を率い戦場で戦い、ストリートでもリアルファイトした大統領。
アンドリュー・ジャクソンを「ローマ人」と「ギリシャ人」の両方の素質を持つ大統領と表現する人もいる。ローマ人とは優れた戦士でギリシャ人とは優れた哲学者という意味だ。
独立戦争と暴力により家族を失い14歳で天涯孤独の身となった。最愛の妻を大統領就任直前に失った。ユニオンという理念と結婚し祖国の分裂を防ぐために生涯戦い続けた孤高の国士、まさにAmerican Lion.
リアル愛国者アンドリュー・ジャクソンの理念を大統領選挙の今年、分裂しつつある今日のアメリカは再訪するよい機会ではないだろうか。
ハクゴは本書読了後テネシー州ナッシュビルにあるアンドリュー・ジャクソンの邸宅 (The Hermitage) を訪ねた。
The Hermitage(テネシー州)
大邸宅ではあるが中は意外と質素なたたずまいでアンドリュー・ジャクソンがそこに住み、そして眠っていると思うと感慨深かった。またフランス革命とアメリカ独立戦争で戦ったラファイエットが泊まった部屋などもあり今日の我々が当たり前のように享受している自由のために戦った戦士たちが語り合った場所だった。
「自由とは守り続けないと維持できないもの」。アメリカ建国の賢人ベンジャミン・フランクリンの言葉を思い出す。
ハクゴ録「今年も多くの良書との出会いを楽しみにしている」
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(05:27)
2024年01月03日
2023年年間成績
2023年が終了。ハクゴは2010年にこの株式投資をはじめ、早14年が経った。
2023年一年間の成績は以下の通り。今年も追加資金はなし。
絶対リターンではなくあくまで市場全体に対しての相対リターンが重要。市場全体(S&P500指数)との相対リターンをアルファと呼ぶ。2023年一年間のハクゴのアルファは+6.5%と満足のいく成績だった。
S&P500は24.2%成長と非常に強い一年だったがこれは2022年に大きく下落したことが一つの大きな要因なので2022年〜2023年の2年間でS&P500の成長率を見てみると、年平均の成長率は+0.04%とほとんど成長していない。
トップ10銘柄とそれぞれのアルファへの寄与度は以下の通り。
トップ10銘柄とそれぞれのアルファへの寄与度は以下の通り。
アルファへの寄与度はアマゾン、グーグル、マイクロソフトの順でアルファ寄与度が大きかった。
アマゾンのアルファは56%と非常に高かったがハクゴのアマゾン株保有株式数は1年前と比べて30%増加した。アマゾンについては過去ブログ「アマゾンの決算について」(2023.5.5)などをご参照。
そして2023年のハイライトは何といってもダラー・ジェネラル(ティッカーDG)。激しく暴落する過程で買い増しを続け昨年末時点から保有株数は7.1倍に増え投資した資金としては過去最高額の投資となっている。(ダラー・ジェネラルへの投資については過去ブログ「ダラー・ジェネラルCEO交代」(2023.10.13)などを御参照)
ハクゴの長期の成績
そして2023年のハイライトは何といってもダラー・ジェネラル(ティッカーDG)。激しく暴落する過程で買い増しを続け昨年末時点から保有株数は7.1倍に増え投資した資金としては過去最高額の投資となっている。(ダラー・ジェネラルへの投資については過去ブログ「ダラー・ジェネラルCEO交代」(2023.10.13)などを御参照)
ハクゴの長期の成績
長期でS&P500を上回ることが投資家としてのスキルを表す。過去5年、及び投資開始以来14年前のS&P500に対する超過収益(アルファ)は以下の通り。
まだ全然大したことない成績だがこれを高めていくことを今後も目指していく。
ハクゴ録「長期でアルファを上げていく」
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(00:48)