2019年05月
2019年05月31日
株価下がりっぱなし
バークシャー保有株のクラフト・ハインツ(KHC)、2月に暴落して以来ずっとさえない。
ハクゴの「バリュエーション方法序説」を使ってKHCに今日投資して10年間という長期で投資した場合の投資リターンの期待値を求めてみた。
根本的な問題
しかし結論から言うとKHCにここでは投資しない。クラフト・ハインツは現在SECから調査食らっているためだ。監査法人がサインしないらしいがこれってすごいリスキーなこと。
上の分析の数字もそもそも違う可能性あるということだ。
ここでバフェットの言葉を思い出そう。
経営者に必要な3つの資質
"Integrity, Intelligence and Energy" これは「バフェットに学ぶカルロス・ゴーンと経営者の資質」(2018年12月5日)でも紹介したが一つ目のintegrity とは誠実さ、正直さという意味だ。あとの2つを持っている経営者はたくさんいるが一つ目は難しい。一つ目のintegrity の欠如があると長期的には何か事件とか起こって残りの2つを無にしてしまうのだ。
最後はキャッシュフロー分析が頼りになる。クラフト・ハインツのフリーキャッシュフローはプラスだが借入に対して小さ過ぎる。いずれ借り換え時期が来るわけだが借り換えができなかったらどうするのだろう?銀行がいつも優しく対応してくれるとは限らない。
そうなると資産、ブランドの売却などの話になってくる。。。
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(08:57)
2019年05月30日
米国10年債利回りが下落
本日長期の米国債利回りが2.23%まで下落した。そして長期金利が下がる一方でダウ株価指数は$221下落した。
長期金利が下がると株にはプラスなのでは?
一般的には長期金利が下がると株の価値は上昇する。
例えば長期国債利回りが2.5%の時、投資家は自分の投資資金を10年運用したら年に2.5%稼げるわけだ。これが国債に投資した場合のリターンの期待値だ。一方で株式投資にもある一定のリターンの期待値が存在する。
そこで国債利回りが2.2%に下がったとする。この投資家にとって株式投資の魅力は相対的に上がるわけだ。
しかしこれは因果率シリーズ「本質を見誤る投資家 ー その① 利用可能性の誤謬と因果律」で述べたように現実の一面しか表していない。この論理思考の前提には「他の前提が一定ならば」という但し書きがつく。
因果律のトラップ
論理思考のワナにハマってしまう理由は実際の世の中では「他の前提は一定」ではないため。
例えばこの長期金利の例だと長期金利の低下は将来の経済先行きが悪化するという別に要素が加わると、長期金利低下 → 株上昇 という単純因果関係が成り立たない(というか正確に言うと単純因果関係の影響が見えなくなってしまう)。その結果株と債券の通常の関係(インバース)成り立たなくなるという現象が見られる。
結局株価がどうなるかは市場が金利の動きをどう解釈するかによるわけだ。
実際昨年は年後半に米国債利回りが大きく下がりそれに影響されて株は上がった。
国債利回りとは資産価格の大きなファクターでありながらどう影響されるかは市場がどう解釈するかによるというワケわかんない現実。
一つ一つの因果関係を足し合わせても全体の動きを予測できないということになる。
ハクゴ録
「因果律はトリッキーなので注意」
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(11:00)
2019年05月28日
今日はメモリアルデー
アメリカでは今日は戦没者を記念するメモリアルデー。株式市場はお休み。
もともとは南北戦争で亡くなった兵士を称えるために始まったが今では幅広く戦争で亡くなった人々を追悼する日だ。
アメリカではこの日スポーツのイベントがたくさんある。公式に夏が始まる日でもありいろんなところでバーベキューとかやっていてアウトドアのイベントが盛んだ。
Googleホームページは灰色の追悼色になっている。
今日本屋に行ったら戦争ものの歴史書がたくさんバーゲンで売られていた。ハクゴも本を手に取り今のアメリカを創った歴史、自分が住むアメリカを創った歴史に思いをはせる。
また読みたい本が増えてしまった。完全に本屋のマーケティングにハマっているわけだがまあいっかこれはと。
戦争のない時代を願う。
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(10:34)
2019年05月27日
グレートビジネスの一日の株価の動き
「日々の株価の値動きに反応しないこと」(2019年5月23日)の続きだがそもそも保有しているグレートビジネスの価値は年間どのくらい増加すると考えられるのか?
もちろんそれわかっているから投資しているわけだ。例えばハクゴの保有株の一つCHD (Church Dwight)を例に取ってみよう。この企業については「祝暴落!Church & Dwight」(2019年2月7日)で紹介しているので参照いただきたい。
ハクゴはこの企業の企業価値増加スピードは年間 10%と分析している。せいぜい12%だ。
これが20%などはこの企業のビジネスモデルから考えて絶対あり得ない。年間12%としても一日当たりに直すと0.05%ということだ。
つまり昨日の株価$75.18 が$75.22に$0.04上昇すれば「順調だ」となるのだ。こんなの毎日チェックする意味ないだろう。ちなみに実際の金曜日の株価変化は -0.63%だったのだがこれがずっと続くというのはあり得ない(一年間でゼロになってしまう!)。
つまり毎日株価をチェックするのは基本的に時間の無駄だ。それをどうしても見てしまうのはメンタル弱いとしか考えられない。
メンタル鍛えるのが重要
バフェットは株価見てないしそもそも最近までパソコンも携帯も持ってなかった。これはストイックになろうとか言う意味ではなく「見ないと気が済まない」と感じる心理がおかしいのだ。
フェイスブックとかも昔は毎日見ていた。これもなんかヤバくないかと思って自分の心理分析して今はたまにしか見ない。毎日見なくてもだんだん気にならなくなった。
株価はいまだに毎日見てしまうがこれも克服すべきだと思っている。
つまり自分の関心をコントロールするということは投資家としてひいては自己成長の観点からも重要だからだ。
ハクゴは読書と瞑想を日々の日課にしているが非常に良いpracticeで皆さんにもおススメする。要は自己の関心の向け先をうまくコントロールするのに役立つ。
日々の生活でコントロールできないことはままある。どうしても仕事のこと考えちゃうとか。どうしても過去に起こったこと考えちゃうとか。こういうのは自分の心理をコントロールできていないのだ。
ハクゴ録
「日々の株価の動きを気にならないようにトレーニングする」
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(01:21)
2019年05月26日
グレートビジネスに売り時はあるのか?
よく「買い」よりも「売り」の方が難しいという。その通りだと思う。
よく「買い」よりも「売り」の方が難しいという。その通りだと思う。
バリュー投資は基本長期だが株価が高過ぎれば売りたい気持ちになる。グレートビジネスであっても売り時があるのだろうか?
これは正直難しい。
グレートビジネスで売りが正しい判断となり得る場合は株価の下げのタイミングを当てられる場合だ。
グレートビジネスの場合企業の価値は長期でひたすら上がり続けるが株価バリュエーションは高過ぎになってしまうことはままある。どこかで調整が入る可能性があるものの売るのであれば下げのタイミングを当てる必要がある。
これはかなり難度が高い。なぜなら株価がオーバーバリュー(割高状態)されていたとしても必ずしも調整局面に入るとは限らず高いバリュエーション (PER)のままずっと続くこともあり得るしさらにオーバーバリューになることだってあるからだ。
どんなに株価が割高でもリーズナブルな株価に戻るという保証はない。実力以上にずっと高いままずっと続くこともあり得る。
バリュエーションが高いまま続くことはよくある
例えばEPSが$3で実力の PERが 20Xだとしよう。すると株価の実力値は$60 ($3 x 20)だ。ここで 実際のPERが25Xだとする。この場合実際の株価は$75 ($3 x 25) となる。
EPSが成長するにつれて実際の株価は上昇していくがPERが25Xのままであれば株価は$75からEPS成長率に従って増加していく。つまり高過ぎのままずっと推移するパターンだ。
理論的には長期金利が上がるタイミングでPERは下がるはずだがこれを当てるのも現実的ではない。実態としては意味もなく下がる場合も多々ある。個人的には過去グレートビジネスを売って後悔したことが多くあったため売りでうまく行く気がしない。
「下がったら買い」という戦略の方が勝率が高いと思う。もちろん現金比率を考えて売る場合や「暴落時に現金がない場合の対処法」で紹介したように他の銘柄を買うために売る場合はあると思うが。
ハクゴ録
「グレートビジネスは売らずに買い続ける方が勝率上がる」
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(03:05)
2019年05月25日
もしもお金がいくらでもあったら
金がたくさんあったらいいなあと思う。
一方でもしもうお金が十分あったら。あるいは誰かが「お金の心配はもう要りませんよ」と言ってくれたら人生はどう変わるだろうか?
始めのうちはほしいものをいろいろ買うだろうがモノはいずれ壊れたり陳腐化するし新しいものを買っても飽きるのに気が付くと思う。人生を楽しくしてくれるものはそれだけではないと気付くのは時間の問題だろう。
旅行が好きだ
ハクゴだったらモノ買うより旅行しまくるだろう。行きたいところたくさんある。
昔学生の頃は旅行しまくった。あたらしい世界を見るのが楽しかった。人との出会いも楽しかったがいずれは自分の家に帰ってくる。歴史的な遺跡を見て感動してもそれは一過性の楽しみだ。悠久のヒマ感が無限に続いている空間。
きれいなビーチに行くと目の覚めるような感動を始めは感じるがしばらくいると暑すぎてずっとそこにいるわけにもいかないのが実態だ。地元の素朴な社会に感動するがそれは普段の生活からかけ離れているから感動するのであって実は極貧社会だったりしてそこに残って生活するなんてあり得なかったりする。
旅行先で出会う旅人との交流も楽しいが彼らはずっとそこにいるわけではないしいずれは自分も家に帰りたくなる。
旅行というのは非日常を楽しむ面が大きい。だとするとその楽しみは永久には続かないことになる。
旅行は楽しいがそれにも限界がある。
自己成長は限界ない
一方で読書や人間関係を通じて自己成長を感じた時ハクゴは高い幸福感を感じる。旅行する空間は有限だが自己成長の場合開拓する空間は無限だ。自分の無知と歴史の英知は無限にあるからだ。一生かかっても人類の英知を全部垣間見ることすらできないだろう。
自分の無知さには自信がある。いくらでもある。自己成長は例えば対人関係を良くできるようになったとか。困難をうまく解決できるようになったとか。尊敬できる人に出会うとか。問題を事前に回避できるようになったとか。ネタはたくさんある。このような体験は直でなくても読書を通じてでもできる。
これに人生の時間を使える自分は幸せだと思う。
ここに金の要素は入ってこない。本なんて誰でも買えるし自己成長だって本人次第でタダでいくらでも進められる。ネットにいくらでも載っている。幸せな時代だと思う。
お金は最大限増やすように頑張るもののそれで読書や自己成長の時間を食ってしまうのでは元も子もないと思う。
バリュー投資家は自己成長が金を増やす原動力なので自分にとっては理想の職業だと思う。サラリーマンやってても読書と自己成長にかける時間は死守するようにしている。仕事が自己成長にとってマイナスにならないように気をつけている。
いやな感情をコントロールしよう
人に対する「妬み」とか「怒り」などの感情は人生の害だ。どんなに社会的に成功しても金を稼いでも妬みや怒りをコントロールできなければ決して充実した人生にはならないだろう。
妬み、怒りの正体は欲望なのだ。欲望は欠乏から生まれるが欠乏は思い込みから生まれる。だから結局自分の思い込みをうまく直していくことが大切だ。
目の前の仕事や金が逃れられず取り組まないといけない人生のタスクだと人は思い込みがちだがそれは思い込みに過ぎない。我々は実はもっと自由なのだ。
自由だからこそ「今」を楽しむことが大切。
自分の意識が「将来」に行き過ぎていないか?
将来も大切だが今が大切。
意識が向く対象のバランスをうまくとる。これも人生で大切なことの一つ。
これもお金とは全然関係ない。お金以外のことを真剣に考えるべき。
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(10:43)