2019年10月
2019年10月31日
メンタルトレーニング
過去ブログでもメンタルトレーニングについて述べているので過去のブログは下のメンタルトレーニングの「タグ」で検索できるのでご参照ください。
メンタルトレーニングは日々の自己対話によってなされる。人間は日々意識的・無意識的に自分自身と対話している。これが日々の体験として記憶となり自分自身に影響を与えている。
具体的方法とその仕組み
例えば例として「ソッコーで儲けたい」という「焦り」の感情が浮かんだとしよう。浮かんでしまうこと自体は抑えることができないがここで行動を取る。
ここで具体的にやるべきことは例えば以下のような自己対話を行う。
「儲けたいという欲望(情動)を感じた。しかし自分の保有している株はグレートビジネスでありこのような企業の一株利益は景気や株式市場に関係なく長期で上昇する可能性が高い。したがってグレートビジネスを長期で保有するのが確実に儲ける方法だ」
と合理的思考で思い直す、考え直すのだ。理由は後で述べるがこれがどれくらい合理的かどうかは関係ない。
いわば「情動経験=焦り」を「合理的思考体験」で「上書き」する。
脳の中で何が起こっているのか?
「感情」は脳のある特定の部位(扁桃体と呼ばれる)がつかさどっておりその部位が優位になることによって焦りなどの感情が発生する。
一方脳の別の部位(これは前頭前野と呼ばれる)、合理的思考を司る部位を優位にすることによって脳にとっては「合理的な思考経験」となる。
この合理的思考経験を普段から行うことで自己イメージを改善していく。そうなると将来同じ情報を得ても情動発生が弱くなる。
この合理的思考経験を普段から行うことで自己イメージを改善していく。そうなると将来同じ情報を得ても情動発生が弱くなる。
つまり「儲けたい!」という情動が発生した時これを放って置かずに合理的思考を優位するプロセス(合理的に考え直す)を必ず入れる。ここで大切なのは合理的思考が脳の中で優位になればそれで良い。それが記憶になるから。なので本当にその論理が合理的かどうかは関係ないのだ。
このように合理的思考体験で経験を閉じるようにする。これを習慣にしていく。つまり普段から意識的に合理的に考えることでイザという時も合理的な判断ができるようになる。
これをやっとかないと「平凡な投資家」のマインドのままになってしまうのだ。記憶が変わらず反応も変わらないから。つまり将来株が暴落すると感情が反応して「怖い → パニック売り」という行動を取る一般人投資家のままだ。
ハクゴ録「普段から合理的思考を入れる習慣をつけよう」
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(11:51)
2019年10月28日
投資のゴール
メンタルトレーニングと言う言葉を使って度々繰り返しているがハクゴは投資のゴールは「賢明なる投資家」の知識・経験のみならずマインド・自己イメージを自分の中に作り上げることだと思っている。つまり自己成長と投資のゴールは自分の中ではかなりオーバーラップしている。
自己イメージとは自分が持っている自分のイメージのこと。これは潜在意識の記憶として固定してしまっており変えるのは簡単ではない。これは前回述べたように「同じ自我を維持したい」という機能が脳に備わっているからである。自我同一性ともいう。
自己成長しよう
結局偉大な投資家と平凡な投資家の差はその中身にあるのであって情報量や理解力の差にあるのではない。
この点はバフェットも言っている。「優れた投資家になるためにはIQよりも性格だ」と。
長期の投資パフォーマンスの差がつくのは大暴落の時にそこで買えるか?あるいは相場がピークの時に興奮して追加で買わないか?このようなことで長期のパフォーマンスに差がつくのだ。
それは「相場が動いた時、取るべき行動」(2019年の10月20日)の①〜④で述べた。
つまり頭の良さや情報量ではなく勝負を分ける肝心なタイミングで感情に左右されず冷静に行動できるかで差がつくのだ。
言いかえると差は「賢明なる投資家のマインド」が備わっているかどうかで決まる。
賢明なる投資家のマインドを構築するためには自分の無意識のレベルまで変えていかないといけないとハクゴは考えている。
この心理・潜在意識を変える方法がメンタルトレーニングだ。
「賢明なる投資家のマインドを持つかどうかでパフォーマンスは決まる」
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(03:58)
2019年10月27日
株式投資を脳の観点から分析する
「株式投資の奥義その①」(2019年9月30日)では売り買いの時に感情を挟んではいけないということについて述べた。
感情をコントロールするということ
なぜ感情に左右されるとうまく行かないのだろうか?
この感情は知らず知らずに自己イメージに影響与えてしまうからだ。
「速くソッコーで儲けたい」という情動体験は潜在意識に対して「自分は儲けられない」というメッセージを送ってしまう。その結果儲けられない投資家という自己イメージが知らない間に出来上がってしまうのだ。
これは欲望という感情の記憶が自己イメージ・自我の一部を作るからだ。そしてそのような自我がまた欲望をという感情を作るという循環になっている。
(この「自我」英語だと “Ego” をどう扱うか?これは「株式投資の奥義その②」になるだろう。)そして「儲けられない」という自己イメージを潜在意識の中に持つ投資家には「儲けの手がかり・ヒント」が見えなくなるのだ。だからうまくいかない。
自己イメージを変えるのは簡単ではない。これは人間の心理性向として「同じ自我を維持したい」という機能があるからである。
ハクゴも間違いまくった
なんども同じ過ちをやってしまうのはこのせいなのだ。ハクゴも同じ過ちを過去に何度もおかした。
狙っている株の株価が上がると買いたくなり焦って買ってしまったり。
ちょっと上がると下がるのが怖くてすぐ利食ってしまったり。
あとで考えるだけで泣きたくなる体験は数知れない。
幾多の悔しい思いを改善への情熱に換えて自分のプライドや思い込みを捨て去る努力をしてきた。プライドや思い込みがどこから生まれるのか?これを研究しまくった。
自己イメージは自分の敵にもなってしまう
この自己イメージは市場が過度に上昇した時、そして逆に過度に下落した時、取るべき行動の逆をやってしまう原因になる。つまり「儲けの手がかり」が目の前にあるのに見えないため取るべき行動を取れなくなるのだ。
「賢明なる投資家のマインドを作ろう」
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(05:10)
2019年10月26日
今日決算発表でアマゾン株下落した。以下がハクゴの見方。
超成長株は決算のどこを見るのか?
アマゾンのような超成長企業の場合四半期毎のEPSを見ても未来は予測できない。
「企業の実態を知る」という抽象概念がゴールの場合、例えば「EPSの変化を見れば実態が見える」という「より一般化された具体例ルール」で解決しようとしてもうまくいかない。
「企業の実態を知る」という抽象概念がゴールの場合、例えば「EPSの変化を見れば実態が見える」という「より一般化された具体例ルール」で解決しようとしてもうまくいかない。
これは哲学問題だが抽象概念は具体概念を説明できるがその逆はうまくいかないのだ。
研究対象企業毎にobservation を抽象しその上で個別に適切な「観点」を設定することが大切。
これは企業分析のみならずあらゆる学問で大切な思考態度だ。
アマゾンのどこを見るか?
現在のアマゾンのような高成長・高競争企業で見るべき一つの重要な観点は「ビジネスファンダメンタルズを強くすることに売上金 or 借入金を使っているか?」であるとハクゴは考える。
つまり競争力を高めるという「将来への種まき」にリソースを投入すべきでありそれをやっているか?そしてその活動が有効かどうかを決算では査定すべきだ。
今日発表のEPSは過去に蒔いた種の刈り入れの一部に過ぎずアマゾンの将来を見る上であまり重要ではないと考える。
四半期業績を見てみると新しいサービスを実行したりサービスの改善(より早くデリバリーする)に金を使った結果利益が下がったとある。これは将来の競争力を高める要因になるのでハクゴの見方では全く問題は見られない。
将来への投資をすると費用がかさむのは当然だからだ。
アマゾン株は下がれば買い増ししたいところだが今日のこの程度の下げでは買いのタイミングではない。
大統領選が近づくに連れてアマゾンには政治要因(ネガティブ)が今後出てくる。そこガッツリ下がったら買い増したいと思う。
あくまで「アマゾンと関係ない理由で暴落したら買い」という態度でいきたい。
ハクゴ録「今回アマゾン決算は特に問題ない。引き続き注視」
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(10:55)
2019年10月23日
ポラリス Polaris (ティッカー PII)
ハクゴの保有株である Polaris 社(PII) 本日決算発表。順調な利益を出しダウが下がる中で株価は11%も上げた。
2019年8月24日に「ダウ暴落!バリュー投資家が取るべき行動は?」でも紹介したが前回ハクゴは8月23日に買い増した。
当時の買い増しの理由は「Polaris社の本質的価値に関係なく株価が大きく下げたため」である。
8月23日は貿易摩擦のさなかに暴落した。
貿易摩擦はPolaris のビジネスに影響するのは確かだ。調達価格が上がるためだ。調達価格が上がれば粗利に影響する。
そして過去Polarisの粗利は減って来ている。これはたしかにPolarisの弱みだ。
しかし中国貿易摩擦はこのPIIの本質的弱みに対し「追加的な弱み」にはならないとハクゴは見ている。理由は報復関税があってもいずれは別のサプライヤーを探せる確率が高いからだ。
一方Polaris の低い粗利率の本来的な原因は激しい競争にある。これは改善していない。
引き続き厳しい。だが悪化もしていないのだ。だから8月は意味なく売られたことになるので買った。
Polaris の強み
この銘柄は
1. 成長力
2. 製造効率
が強みであるとハクゴは見ている。一方で競争が激しいためグレートビジネスとは言えない。にもかかわらず保有しているのでハクゴのポートフォリオの中で大きな部分を占めるのは賢くないと考えている。
このビジネスはリスクははっきり言って大きい。景気が下がるとこの会社の企業価値は確実に下がる。それは顧客が必ず買い控えをするからだ。
なので景気のトップで売れれば理想だがそれはほぼ無理。
このような株で勝つにはリスク勘案後株価が「明らかに安い」時だけ買うという戦略で行くべきでそれのみを実践している。
逆にこの銘柄を順張りすることは愚かな戦略だと考える。
「リスクは高い。だから明らかに安い時だけ買うという戦略」
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(11:14)
2019年10月20日
前回の続き
前回をまとめると
マーケットが動いた時にちゃんと取るべき行動を取れば長期で大きな成果を出すことができるということだ。
ではその行動とは?
大きな下げの時
①買う → 底で買う
①買う → 底で買う
②売らない or パニック売りしない
大きな上げの時
③売る → 高すぎる場合は売る
④買わない → 高過ぎる場合に買わない
これらは簡単に理解できるものの実行するのが難しい。
非常に難しい。
実際には多くの人は解っていながらこれらやるべき行動のなんと「逆」をやってしまう。
特に②と④に皆引っかかるのだ。つまり
②暴落時に買わずに逆に売ってしまう。
③相場が高くなっている時に買ってしまう。
これで前回開設したようにパフォーマンスが一気に落ちるのだ。
前回の説明が理解できるならなぜ大きく下がったら買いなのに実際には売りをしてしまう人がいるのだろう?
なぜマーケットが過熱する時に買いに走るのだろう?
それは人の心理に原因がある。
多く投資家は情動に支配されて行動する。論理に基づいて行動しないのだ。
どんなに普段冷静な人でも、どんなに頭が良くてもイザという局面で取るべき行動(①〜④)を取れないのである。
①〜④は言うは易く実際行動するのは激難しいのだ。
トップエコノミストでもできない
今でも覚えているがリーマンショックの真っ最中株価がフリーフォール状態の時トップ経済学者のポール・クルーグマンはTVでインタビューされた。
インタビュアー「今の株式市場大混乱の今、株を持っている投資家はどのように行動を取るべきでしょうか?」
インタビュアーの意図は「皆さん冷静な行動を取って下さい!」と言って欲しかったのだろう。
ポール・クルーグマン「私は株を売る!全部売って安全資産である債券を買う!」とパニクりながら回答!
その後クルーグマンはノーベル経済学賞を受賞したのだが皮肉にも彼がもしホントに言うように株を売ったのであれば大損コイただろう。ノーベル賞もらったので一億円くらいは賞金あるが。
とにかくどんなに頭が良くても自分の心理を知らなければ投資では成功が難しいということだ。もちろんクルーグマンは投資家ではないので彼に助言を求めること自体が当たっていないと思うが。
①~④の正しい行動を取れるためには人間の心理の仕組みカラクリを知り特別にメンタルトレーニングすることが重要だ。
次回以降心理のカラクリとメンタルトレーニング方法を紹介したい。
次回以降心理のカラクリとメンタルトレーニング方法を紹介したい。
「人間の心理の仕組みを知ればより良い投資家になれる」
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(23:57)