2021年05月
2021年05月29日
5年で2倍にするのはどのくらい難しいのか?
ハクゴは自分のポートフォリオを5年かけて2倍にすることを日々考えている。
ハクゴは自分のポートフォリオを5年かけて2倍にすることを日々考えている。
これはS&P500に投資した場合の約2倍のペースだ。S&P500は長期の平均ではだいたい10年で2倍になる。
もちろん3年で2倍にできればよいし2年ならもっと良い。しかしあまりに早く達成しようとするとどうしてもリスキーな銘柄に偏ったポートフォリオを組まざるを得ず、成功確率は下がる。
S&P500自体が10年で約2倍になるわけだからこれを超えるパフォーマンスを目指す。ハクゴの場合それが5年なわけだがこれはどのくらい難しいのだろうか?
S&P500自体が10年で約2倍になるわけだからこれを超えるパフォーマンスを目指す。ハクゴの場合それが5年なわけだがこれはどのくらい難しいのだろうか?
面白いデータがあったのでご紹介しよう。
過去のデータによると。。。
1970年から2012年までの43年間のデータでS&P500の中の銘柄で5年で2倍になった銘柄数の平均は150銘柄だった。
つまり30%だ。
30%の確率で5年で2倍になる銘柄を当てることができるということだ。
これは十分可能な数字で自分の感覚とも合っている。つまり入念な調査と知恵があれば例えば10銘柄選択しそれらがすべてこの30%銘柄に入ることは可能だと思う。
もちろん銘柄毎にパフォーマンスは異なりポートフォリオ全体で5年で2倍になればよいわけだ。
ちなみに3年で2倍になる確率は15%とのこと。これは結構難度が高い。しかし30%の確率の5年で2倍はかなり現実的で且つ魅力的な目標だ。
ちなみにハクゴは過去4.5年でポートフォリオを2倍にした。ただ難しいのはこれを長期で続けることであり、したがって5年で2倍を長期間に渡って達成するというのは引き続き自分の目標だ。。
ハクゴ録「5年で2倍にすることは可能な目標」
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(03:53)
2021年05月27日
前回チャートを見るなら5年チャートをまずみることについて述べた。
投資家としては日々株価が気になるものだ。毎日株価が上がっていないかどうか気になる。
しかしこの感情は本来おかしなことだ。
ハクゴの場合企業価値が長期的に年間15%程度増加する企業を探しそのようなグレートビジネスに投資することを目標にしている。
「賢明なる投資家」は日々の株価を気にしない。
なぜか?
グレートビジネスに良い株価で投資し長期保有すれば市場平均(S&P500)を十分上回るリターンが得られる。
このリターンのレベルは10%台。良くて15%+程度だと思っている。株価は長期的には企業価値を反映する。
企業価値を年間15%以上長期(10年以上)で成長し続ける企業というのは多くはない。もちろん短期3-5年で15%を超える成長を達成する企業はたくさんあるが多くは景気後退時にこのマラソンから脱落するのだ。
短期的に株価が高いレベルで上がることはよくある。しかしそれは長続きはしない。株価は長期では企業の本質的価値と一緒のトレンドで動くからだ。
仮に20%年間価値が増加するグレートビジネスを見つけたとしよう。
1日の価値上昇率はたったの 0.08% だ。(20%÷250営業日)一方一日の株価の動きはもっと激しい。0.5%くらい毎日動くし一日で2%も上がることだってある。一日2%も上がると嬉しいと感じるがこれはおかしい。
株価は企業価値実態の動きと違う
日々のそのような動きは fake だからだ。なぜなら毎日2%も企業の本質的価値が上がる株なんてまずないからだ。すごい企業だって一日の本質的価値上昇率は0.08%だけだからだ。
なのに株価はそれ以上動く。
強いブル相場はしばらく上昇が続くことはある。しかし必ず調整がくる。なぜなら長期では株価の動きと企業価値の動きは似たようなものになるからだ。
なので一日の株価 0.08% 上がっていれば「嬉しい」と感じて然るべきだ。
毎日1%上がることを期待しながら 株価を見ることは意味がない。
でも実際には毎日見ている。これは自分のアテンションが間違った方向に向いて言う証拠。つまり間違っているのは企業分析でもないし、判断でもなく、アテンション(注意)の向かう先だと言える。
これをマスターするには自分はまだまだ道は遠いと言える。
心に余裕がないと無理だな。
すなわち焦りとの戦いだ。
投資を通じて治していく。
ハクゴ録「投資とは自己発見の過程。そして自己を成長させる過程」
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(23:24)
株価を頻繁にチェックする意味はあるのか?
保有株株価の日々の動きを見ることはあまり意味がない。短期の株価は株の需給に大きく影響され企業価値の変化を表すわけではないからだ。
見ても感情が発生するだけ。なので害が多いと言える。
焦って売ったり買ったりする原因になるだけなのでできれば見ない方が良い。と考えてはいるもののなかなか実行できないが。。
一方長期のチャートを見ることは意味ある。
ベンジャミン・グレアムの言葉を紹介しよう。
“In the short run, the market is a voting machine but in the long run, it is a weighing machine.”
「株式市場は短期では人気投票に過ぎないが長期では価値を計る計測器だ」
長期のチャートでは5年で2倍になっているかをチェック
長期のチャートは企業の価値のトレンドと近いものになる。長期の株価トレンドは長期の企業価値のトレンドと同じ方向に進むだろう。同じではないが進む方向は同じだ。
したがってハクゴは新しい企業のチャートを見るときにはまず5年チャートを見る。
具体的には5年で2倍以上になっているかどうかを見る。5年で2倍ということは年間平均成長率は14.4%だ。
「72の法則」というのがある。これについては2020年6月22日に紹介した「ルール of 72 とは?」をご参照いただきたい。
ハクゴは本質的価値が年間平均15%程度増加する企業を探しているためこの5年で2倍とういのが一つの基準となる。10年でも良い。
ベンジャミン・グレアムが言うように長期になるほど「価格」と「価値」が互いに絡み合うように一緒の方向に進んでいくからだ。
ハクゴ録「チャート見るなら5年チャート」
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(01:43)
2021年05月26日
バリュー投資からグレートビジネス投資へ
ハクゴの投資人生は「バリュー投資」というものを学ぶところから始まった。今は「グレートビジネス投資」というものを追求しているが根っこにある信条は同じものだ。
ハクゴはリスクが少なく利益成長が長期で15%程度期待できる企業が投資に理想的だと考えている。このような企業をなるべくたくさん探したいと常々考えている。
株価、バリュエーションがどうこうというのは二の次だと思う。
まずは長期で高い利益成長率を達成できる企業すなわち「グレートビジネス」を探すことが第一歩だ。グレートビジネスではない「平凡ビジネス」に長期で投資してもS&P500以下の成績で終わるだろう。まずはグレートビジネスを探すこと。これに90%のエネルギーを使っている。
ハクゴの感覚ではリスクをあまり取らずに長期で15%の年間利益成長率を達成できる企業はかなり探すのが難しい。
もちろん少数の会社であれば挙げることができる。アップルとかアマゾンとかグーグルとか。
これらにオールインすると言うのも一つの戦略だがこれは二つの問題がある。
一つはバリュエーション。
これら企業はとっくにバリュエーション高いため利益成長と同じ投資リターンを得ることはできないだろう。例えばグーグルであれば長期利益成長は15%を期待できても現在の株価で買った場合の長期の投資のリターンは8%程度と推定される。これは高い利益成長がすでに株価に織り込まれてしまっているためだ。
もう一つの問題は3-5社にオールインしたポートフォリオで一銘柄間違えたらその影響は甚大だということ。つまりポートフォリオマネジ的に優れた戦略ではないことだ。グレートビジネスと判断してもそれが間違っている場合もある。
つまり打率の問題だ。10割バッターは存在しない。投資家ができることは10割打つことではなく打率を上げることなのだ。10割打てない以上3-5社にオールインというのは賢い選択ではないだろう。
長期の利益成長率15%を求めてしまうとその銘柄数は数社に限られるが11-12%程度に許容度を広げるとおそらく30-50社くらいは挙げることができる。
長期の利益成長率15%を求めてしまうとその銘柄数は数社に限られるが11-12%程度に許容度を広げるとおそらく30-50社くらいは挙げることができる。
このような銘柄群を Watch List に入れておき小暴落のたびに買っていく。このポートフォリオが「金の生る木」となる。これがハクゴがやっていることだ。
暴落は一定の確率で来る
超暴落(市場全体が30%以上暴落する状況)を待つ戦略もあるがこれは甚大な機会コストを払うことになる。現在長期金利が激低い環境でこの機会コストは大きいと言える。
一方、どんな時でも常に超暴落の可能性を頭に入れておくこと。これを忘れなければ日々の行動は自ずと変わってくるだろう。つまり現金をある程度持ち高いところでは買いを減らすと言う行動を取れるようになる。
超暴落は10年以内に高い確率で来るだろう。こう言うと怖い感じがするが実は上で述べた15%という限界値を超える投資リターンを上げるためにはこの超暴落が必要なのだ。超暴落の前後での行動で投資リターンを一気に boost できるのだ。
超暴落を考えると怖いが次を考えてみよう。
過去の超暴落がグレートビジネスの競争優位性に影響を与えただろうか?
未来の超暴落はグレートビジネスの競争優位性に影響を与えるだろうか?
競争優位性に影響ないならば、株価が安くなればそれは買いのチャンス以外のなにものでもないと言えるだろう。
過去の超暴落がグレートビジネスの競争優位性に影響を与えただろうか?
未来の超暴落はグレートビジネスの競争優位性に影響を与えるだろうか?
競争優位性に影響ないならば、株価が安くなればそれは買いのチャンス以外のなにものでもないと言えるだろう。
景気が大不況になることもあり得る。そのためシクリカル銘柄というのは自ずとグレートビジネスにはならないと考えている。景気サイクルにあまり影響を受けないビジネスで固めていくのだ。
こうしてグレートビジネスで固めたポートフォリオは金のなる木として育っていく。
ハクゴ録「グレートビジネスを見極め、慌てずにチャンスが来た時だけ買っていく」
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(00:58)
2021年05月24日
二つの思考アプローチ
歴史上のヨーロッパ哲学から投資を考えてみる。投資での判断力を上げるヒントになるかもしれない。
ヨーロッパの歴史を振り返ると中世からルネサンスを経て理性と科学の時代が到来した。いわゆる啓蒙主義の時代。その過程は哲学発展の過程だが「理性主義」と「経験主義」という二つの考え方があった。
◆理性主義 ("Rationalism") デカルトやスピノザなど大陸系哲学者
◆経験主義 ("Expiricism") フランシス・ベーコンなどイギリスの哲学者
これらはもともとは「真の知識はどう獲得できるか?」という命題をから発展した思考のアプローチだが投資においても大いに役立つので紹介したい。
【理性主義と投資】
理性主義とは演繹により結論、すなわち真の知識を見つけ出すという考え方だ。経験をしないで知識を得るということ。つまり人間の五感から感じた経験に頼らず理性・ロジックだけで真実を見つけようとする考え方。アプリオリという言葉があるがこれも経験によらず理性で明らかにできる真実が存在するという考えだ。
投資で理性主義が大切な理由
多くの情報はメディアを通じて得られるがそもそもメディアは Newsworthy なニュースしか流さないという選択の制限がある。そのため以下のようなトラップにはまらないようにするため理性主義が投資に役立つ。
多くの情報はメディアを通じて得られるがそもそもメディアは Newsworthy なニュースしか流さないという選択の制限がある。そのため以下のようなトラップにはまらないようにするため理性主義が投資に役立つ。
- イメージで判断してしまう(例:ニュースに出ているから人気ある、業績良いなど)
- 統計量を無視してしまう(例:ブラックスワンイベントが起こる確率を過大評価してしまうなど)
- ファイナンス理論を無視してしまう(例:金利が下がれば企業価値は上がるなど。これは事実なのに感情で判断して無視してしまうことがある)
人は感情に支配されると「株価強気なので理論全部無視でとにかく買い!」という判断を平気でする。周りがなんと言おうとあくまで客観性的なデータと合理的な論理で判断するべきなのだ。言い換えると判断するのは人間ではない。判断するのはデータ+論理だ。
こんな時、理性主義的思考アプローチが役に立つわけだ。
【経験主義】経験主義とは理性主義とは対極の見方で理屈よりもとにかく実際に起こった結果を重視する。逆に言うと自分の理論をも信用せず実際に起こったことに依拠して真実を見つけるという考え方だ。
需要が伸びる理由
競争優位がある理由
コスト競争力がある理由
株価を計算しそれが妥当である理由
などなど投資家は投資判断をする場合その論拠を理論的に整理する。 しかしこれには落とし穴がある。
人間は判断をする時往々にしてまず結論が感情によって初めに決まりそれをサポートする証拠を探すというクセがあるのだ。そしていったん結論が決まるとそれをサポートできない証拠が見えなくなるという心理上の特性を持っている。
これは人間の脳は感情が速く、論理はゆっくりと動くように設計されているためなかなかコントロールが効かない。つまり論理より先に感情が突っ走って結論が素早く決まってしまうのだ。つまり思い込みだ。人間は思い込みに支配される。
この落とし穴を避けるために例えば「論理はいろいろあるかもしれないが結局結果を出している企業を選ぶ」と考えることができる。つまり論理ではなく事象(経験)を観察して判断をするわけだ。
論理的に考えつつも自分では心理的理由により見えていないweaknessがありそれが判断を見誤らせているという可能性があることを認識しておくことが大切だと思う。この理由はビジネスという複雑系では単純な論理で演繹できない事象がたくさんあるためだ。つまり自分では論理的に考えたつもりでも考えきれていない部分が必ずあるものだ。
例えばハクゴはマーケティングについては自分のイメージ判断を信じないようにしている。「こんなサービス本当に受けるのか?〇〇の需要は頭打ちなのにこんなの買うやついるのか?」などと直感で感じる場合があるが自分がすべての客観データを見れているわけではないし仮にそれを目の前に出されても理解できないだろう。
顧客心理の部分など自分はわからない部分も大きく自分の直感からくる判断を入れず実際に客が買っているかどうかなどの「経験」を信じるというアプローチだ。
なので「自分のイメージと合わない」と感じた時は逆にチャンスで自分の思考の盲点を発見する機会とも言えるわけだ。そして判断の軌道修正することが大切。
なので「自分のイメージと合わない」と感じた時は逆にチャンスで自分の思考の盲点を発見する機会とも言えるわけだ。そして判断の軌道修正することが大切。
- 財務諸表だけで判断すべきか?
- ビジネスオペレーションを理解して判断すべきか?
こんなのも理性主義的と経験主義的の対比となるしこうした思考のアプローチは応用範囲が広いため数例を上げるだけでは語りきれない。
具体的命題例えば「この株価は割安なのかどうか?」といった問にも全く異なる思考のアプローチがあるということを知っておこう。そしてどちらも使える方が良い。
思考のフレームワークは一つではない。自分の判断を複眼的に検証し判断ミスを減らしていきたい。
ハクゴ録「投資も哲学の一部」
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(22:38)
2021年05月20日
グレートビジネス投資家がやることは相場がどう動こうが変わらない
グレートビジネスを発掘しそれに投資するのみだ。
グレートビジネスを発掘しそれに投資するのみだ。
なぜか?
それはグレートビジネスの業績は短期の株価にはほぼ関係ないからだ。
企業業績は顧客や競合との関係など日々の経営によって決まる。業績が株価に影響されることはまずない。株価が下がったので客が自社商品を買わなくなったとかはまず起こらない。因果関係がないからだ。
業績が強い限りグレートビジネスはグレートビジネスであり続けるだろう。グレートビジネスであり続ける限り株価の下落は投資家にとって「朗報」である。同じ価値のモノを安く買えるのだから。
グレートビジネスを買うべきでない場合があるとしたらそれはグレートビジネスの株自体がバブルの場合だけだ。
周りの株がバブルでもグレートビジネスの株価がバブルでない限り買える。
周りがバブル崩壊した場合はグレートビジネスの株価もつられて下がるだろう。その場合は買いの最大のチャンスとなる。従って買い下がることになるだろう。
この場合評価損が出て短期的にはツライが将来の投資リターンが十分高くなる水準で買う限り結局は成功するだろう。
ここが重要で下落局面で単に買い下がれば良いということではない。あくまでリスクを勘案した長期の期待リターンが十分高いならば買いというのが原則だ。つまりバリュエーションが大切なのはいつでも同じ。
インフレはマイナスだが脅威ではない
インフレもほとんど関係ない。なぜならそもそも価格決定力がある企業がグレートビジネスの必須条件だからだ。従って影響は受けるものの市場の中で最も影響を受ける度合いが小さいのがグレートビジネスだ。
マージン(粗利)を防衛する力。それが最大の武器となり本当にこの武器を持っているのかどうかがインフレ下では試される。なのでインフレが長期化した場合はグレートビジネスかどうかを判断するチャンスとも言える。
ビジネスでは粗利をどう守るか。これに経営者は毎日頭を悩ませている。
ビジネスエコノミクスとは単純で「固定費を払えるだけの粗利を作り、守り、その結果の利益を再投資する」これに尽きるのだ。
どんなビジネスをやっていてもすべての経営者の頭の中は毎日このビジネスエコノミクスでいっぱいだ。ってかこれが経営者の心配する部分の太宗だ。あとは需要の創出など楽しい部分もたくさんある。
グレートビジネスとはこの例外なくすべての経営者が毎日頭の片隅で心配している心配事を誰よりもうまくマネジできている企業のことだ。したがって粗利を守る能力がトップグループで長けている経営者であることは必要条件なのだ。
従ってインフレはグレートビジネスとそれ以外の平凡ビジネスをはっきりと選別するだろう。
インフレを機にグレートビジネスを選別できたら投資家として大きなアドバンテージとなるだろう。
投資家としては、日々取る(能動的)アクション、日々のイベントにどう反応するか(受動的アクション)が投資家としてのマインドセットを心理の中で日々少しずつ積み上げる。なので常に投資家としての競争ポジションを強化することに日々努めるのだ。
グレートビジネス投資家は自分の心理の中に作られる。投資は思考ゲームだからだ。自分の中にグレートビジネス投資家がいれば成功するのは時間の問題なのだ。
だから自己成長=成功への道といえる。
相場が荒れている時こそこれを実行するチャンスだ。
ハクゴ録「日々のアクションで投資家としての競争ポジションを日々強める」
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(23:51)