2020年06月19日

2020 Mar 2

株式価値はどこから生まれるのか?
我々投資家が投資をする企業の株の価値はそもそもどこから生まれるのだろうか?

結論から言うと、株主価値の源泉は内部留保による複利効果から生まれる。

利益を上げれば株主価値は上がるのか?これは No だ。

純資産増加だけでは株主価値は生まれない。そもそも利益が出なければ純資産は増加しないため純資産増加は企業が生き残るための必要条件だ。

純資産増加は最低限必要だがそれだけでは株主価値の増加にはつながらない

なぜなら利益が一定なら結局その会社は一定額の利益を生むハコ、つまり Fixed income asset と大して変わらないことになる。

Fixed income assetの価値は増加はするが大して増加しない。年間10%とかを目指すことはできない。せいぜい配当利回り (dividend yield)程度だ。S&P500の平均で2%もいかない。

配当利回りと投資
さらに言うとリスクの少ない高配当株利回り投資というのはなかなか存在しない。 リスクが少ない場合、配当利回りが高くても株価が上がることで結局無リスク証券の利回りに近づいてしまうからだ。株価がリスクと配当利回りのバランサーとして働いてしまう。

利益成長が必要
株主価値の源泉は利益成長にある。それも資本コストを超える利益成長だ。資本コストはリスクの対価だ。利益を出すだけでは十分ではない。厳密には一株利益が資本コストを引いても増加する場合初めて株主価値は長期で上昇していく。

また、一株利益が仮に増加してもそれが将来止まってしまったら意味ない。なので利益成長のリスクが低いことは株主価値の長期での上昇に必要となる。リスクは資本コストに折り込まれる。 したがって結局株価と言うのは一株利益成長とそのリスクによって決まるのだ

内部留保の役割
そして生み出した利益を将来の成長に使うことができるかがカギ。これが内部留保。内部留保が生産的に使われると外部からの追加資本無しに企業は成長できる。

だとすると増えた資本を効率的につかうための成長機会を経営者がどう探すか?これが株主として企業経営者に問うべき最も重要な質問の一つとなる。

成長機会を探せなければ現金としてもっているか配当として吐き出すしかないからだ。その場合株主資本は十分使われず機会コストを払うことになる。

この内部留保をうまく使える企業の場合これがまさに複利効果となる。

生み出した利益が次年以降の年の成長の源泉になり次の年の利益が増加するためだ。

例えば$100の資本を持つ会社が今年$20 (資本の20%)の利益を出したとしよう。全額内部留保すれば次の年の資本は$120になる。これを同じ効率で使えた場合次の年の利益は$24となり前年の$20から増加している。これが複利効果だ。その次の年は$28とどんどん利益が増える。

このような企業こそバリュー投資家が探す投資対象となる。 つまりここが投資先選択のスタートラインとなり、ハクゴの投資選択のカギはまさにここにある。対象先企業がこの複利効果をどう出しているか?今後も出せるのか?という観点でスクリーニングしている。

①成長機会をどう探すか?、それから
②リスク

これらの判定は簡単ではない。したがってここがリサーチのコアとなる。
このような基準で選んだ企業が「グレートビジネス」だ。

ハクゴ録「内部留保を効率的に使える企業が買い」


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(08:16)

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