2022年09月13日

2022.9.12-2
マクロ経済指標を投資判断に使って役に立つのか?
様々なマクロ経済の要素が日々投資家の心配のタネになっている。これらを追いかける意味はあるのだろうか?

例えば現在支配的なマクロファクターとしてインフレ, 長期金利、ロシア・ウクライナ情勢、パンデミックなどがある。

これらが今後どう展開するかで売りか買いかの判断に影響するのだろうか?

上の要因のどれも5年前には全く予測されていなかった。インフレは低金利下で可能性はあると5年前も心配されていたが現在のインフレの一部の原因はパンデミックに起因している。そして5年前にパンデミックは予想されていなかった。

5年後にはどんなマクロファクターが経済に大きな影響を与えているだろうか?

5年後には今とは全く違うセットの要因が短期の株価に強い影響力を持っていることだろう。
それが何かは今は予想できない。リスク要因を挙げようと思えばいくらでも挙げられる。ビジネス上の大きな事件、政治的な国家対立、革命、債務危機、別種の病気、核兵器、テロ、、、、

それぞれの事象の確率がどの程度か?と問われたらどれも非常に小さいとしか言いようがない。しかし5年後にはどれか少数の事象の小さい確率が具現化している。

何がそれらを引き起こす原因となるのか?これは要因が複雑すぎて誰もわからないだろう。

「ブラジルの一匹の蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こす」

バタフライ効果と言われる。小さな出来事が結果に大きな違いを生むということだ。経済は複雑で将来のマクロ経済やその影響を読もうとしても不可能に近い。

しかし「下がる株価は長期投資家にはプラス」(2022.8.29)でも述べたがこうした甚大なリスクが将来もずっと続くと同時に技術の発展、人口の増加などのポジティブなニュースもたくさんあることだろう。そのネットで経済は長期では大きく発展するだろう。

直近の例を上げるとしたらパンデミックのリスクが上がると同時にワクチン技術も発展することで結果的により甚大なパンデミックへの対応力を社会全体として身につけるということだ。今まで10年かかったワクチン開発を10カ月で対応できるようになる。

インフレ、長期金利、ウクライナ情勢、パンデミックなどに企業活動は影響されたが対応して乗り越えてきている。昔にさかのぼるともっと甚大な事件がたくさん起こった。それでもグレートビジネスは成長を続けた。

結局強い企業はマクロ経済の状況に関係なく長期では成長する
こうしたマクロリスク事象の発生や今後の展開を予見して株を売るというのは害あって益なしだと思う。これらマクロ情報を追っかけてばかりいると「次の〜の指標発表までは判断ができない」みたいな気持ちになる。しかしマクロ経済で何が起こっても株式市場全体は大きく成長しその中でもグレートビジネスはさらに成長するだろう。

マクロ事象の今後の展開を予見しようとしても無理だし売って買い戻しできなければ結局乗り遅れる可能性が高いからだ。

ダウが過去100年で77ドルから32,000ドルに上昇したことを考えると長期の buy-and-holdで投資して失敗するのは非常に難しくタイミングを計って売ったりするよりも買い増しが正解なのは明らかだ。

100年前77ドルで売った人も70ドルで買い戻しできれば良いがもし買い戻ししそこなったら大きな機会を失うことになる。70ドルで買い戻しできればよいがこのようにタイミングを計って売ってチョイ稼ごうとする人や下がったところで売ってしまうとか、このような行動パターンを持つ人は過去100年でこのような売りを何十回もやったことだろう。その一回でも買い戻しに失敗すればチョイ稼いだ利益以上の機会損失を支払うことになっただろう。
それよりも市場指数、或いはグレートビジネスに長期で投資するという行動のほうが長期では成功を生むだろう。

このようにマクロ経済は知っていることは大切だがその動きを読もうとしたりそれで投資を決めようとしても投資には役にたたない。むしろ害になるだろう。

行動パターンを改善することのほうがマクロ経済を追っかけるよりもずっと大切なことなのだ。

ハクゴ録「マクロ経済ファクターは関係なくはないが投資パフォーマンスを上げることに役に立たない

下の「米国株」のところで応援クリックいただけると大変励みになります!
  ↓


米国株ランキング

(01:58)

コメントする

名前
 
  絵文字